2012年1月4日

本日、兼松 社長 下嶋政幸より、兼松グループ役職員に向け、年頭挨拶がありましたので、下記のとおりお知らせします。

兼松株式会社
代表取締役社長 下嶋政幸

皆さん、明けましておめでとうございます。
2012年の新年を迎えるに当たり、全世界の兼松グループで働く役員・社員の皆さんへ年頭のご挨拶を申し上げます。

昨年はいろいろなことが起こりました。日本では、とてつもなく大きな傷跡を残した東日本大震災と大津波、それに続く福島第一原子力発電所の大事故。また、その後の台風12号でも多くの犠牲者が出ました。海外に目を向けますと、欧州債務問題、アラブの春、ニュージーランド大地震、豪州やタイでの洪水、アップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏死去、北朝鮮の金正日総書記死去、長引く円高等々、数えあげれば枚挙に暇が無い一年でした。
そういった激動の中、皆さんの創意工夫と努力のお陰で兼松グループは中期経営計画「S-Project」をここまで極めて順調に遂行することが出来ています。 皆さんのご努力に対し改めて感謝の意を表したいと思います。

さて、今年は辰年です。干支では壬辰(みずのえ・たつ/じんしん)となっています。この壬辰という字義についてはあまり良い解釈はありません。そんな中、三菱東京UFJ銀行の経済調査室の解説では、「外部環境が大きく揺れ動く中、内部では新たな歩みに向けて種が生まれる年」企業経営にとっては、「グローバル経済の波乱を危機であると同時にチャンスとして捉え、自社に内在する成長の種子や課題を見つめ直す年」と解釈できるとしています。

中長期的な視点に立って新しい取り組みや事業創造にチャレンジすることの重要性は既に皆さんと共有出来ていると思っています。実際に、将来に亘る収益拡大を確実にするための全社プロジェクトを通して、EV関連ビジネス、新しい加工食品ビジネス、新興国への日系企業誘致や合弁事業、特徴のある技術を持ったベンチャー企業への投資等々、新しい取り組みも始まっています。今年は、KGグループの一人ひとりが持つ可能性をもっと掘り起こして、新たな事業に繋げて行くことに力を注ぎたいと思っています。

現在遂行中の「S-Project」も中盤を過ぎました。今年は、その最終年度を迎える年でもあり、また次期中期経営計画の策定に入る年でもあります。「S-Project」をしっかりやり遂げ、次の中期経営計画には皆さんの描く将来像を強く盛り込んで欲しいと願っています。皆、夫々に将来像をしっかり持ち、その将来像に向かって戦略を立て、それを今年の計画見直しにも、また次の中期経営計画にも反映させていただきたい。今年は将来のKGグループ像に向かってスタートを切る年にしたいと思っています。

正月三が日は恒例の箱根駅伝があり、東洋大が2年ぶり総合優勝を果たしました。柏原選手の山登りの強さは圧倒的でした。以前、柏原選手が卒業した後はどうなるのだろう、と心配していたこともありましたが、今年は6区間で1位を取るなど、もはや柏原選手ひとりに頼る東洋大陸上部ではなく、そこには既に次を担っていく世代をきちんと育てあげ陣容を整えている東洋大の姿がありました。これには感心させられました。
我々も、常に次の世代を背負っていく後輩を育てていかなければいけないと感じた次第です。

1999年の構造改革や、2008年のリーマンショック後の業容の縮小に対応するため、これまではどちらかと言えば、守り優先の経営で来ています。一方で地道な努力の積み重ねにより、自己資本も未だ十分ではありませんが回復してきているのも事実です。先行きのリスクとしては、欧州債務問題の深刻化等を背景とした海外経済の更なる下振れ、円高の進行やそれに伴う国内空洞化の加速、中東情勢での大きな異変等が挙げられます。ただ、こういう状況のなかで縮こまっているばかりでは業績は伸びません。皆で元気を出して攻めの姿勢でチャレンジして行きましょう。

こういう機会に常にお話していますが、今年も兼松グループで働く一員としての誇りを持ち、コンプライアンスをしっかりと心がけていって欲しいと思います。

最後に、全世界の兼松グループで活躍されておられる役員・社員の皆さんと、皆さんを支えて下さっているご家族の皆さんのご健康とご多幸を祈念して、 私の新年の挨拶とさせていただきます。

以上