2013年1月4日

本日、兼松 社長 下嶋政幸より、兼松グループ役職員に向け、年頭挨拶がありましたので、下記のとおりお知らせします。

兼松株式会社
代表取締役社長 下嶋政幸

はじめに

国内外の兼松グループで働く皆さん、明けましておめでとうございます。
お正月は心機一転頑張ろうという気持ちが高まるときです。誰もが素晴らしい一年になるよう願いますが、その思いを少しでも形にできるよう、皆で頑張っていきましょう。

今年の干支は「癸巳(みずのと・み)」です。「癸」という文字は、忍耐の中にあって発展への時期を見計らっているという字義があります。また「巳」の本来の読み方は「し」です。原字は、頭と体ができかけた胎児を描いたもので、十二支の「巳」は植物に種子ができ始める時期と考えられているそうです。漢書の律歴志では「止む」の意味の「し」として、草木の成長が極限に達して次の生命が作られ始める時期と解釈しています。つまり「癸巳」は、現状打破の思いや向上や変革を求める思いがあるならば、勇気をもって一歩踏み出すべき年ということです。

2012年の振り返り

昨年を少し振り返ってみると、世界では、北朝鮮、ロシア、フランス、中国、そして韓国で新しいリーダーが誕生、また米国ではオバマ大統領が再選されました。国内では、家電業界や鉄鋼業界での大型再編があった一方、東京スカイツリー開業、ロンドンで開催された夏季オリンピックにおける多くの日本人選手の活躍、iPS細胞の山中教授がノーベル生理学・医学賞を受賞するなどの明るいニュースもありました。

当社においては、3月末に単体の利益剰余金がプラスに転じました。また、  ドイツ会社ミュンヘン支店の開設のほか、アジアではインド現地法人設立やミャンマーのヤンゴン駐在員事務所再開など拠点の拡充が進みました。
ビジネス面では、3月に門司港サイロが竣工し本格稼働、6月のリグニンブラックの実証実験及びサンプル供給開始、10月には米国においてJFEと共同で油井管加工事業(Benoit社)の買収、12月にはインドネシアにおいてCimoryグループと共同で食品加工合弁会社(Kanemory Food Service)の設立決定、同じく12月、食品大豆供給基地を確保するため、米国において食品大豆事業を  買収し新会社(KG Agri Products)の設立を決定するなど、新規案件が着実に立ち上がってきました。
兼松グループとしては、7月より兼松食品㈱と新東亜交易㈱食品部が事業統合し、新たに兼松新東亜食品㈱としてスタートしました。また11月には、日本オフィス・システム㈱がTOBを経て兼松エレクトロニクス㈱の連結子会社となりました。
「兼松の10年後を語る会」を開催し、各部署において描く夢やあるべき姿について熱く語ってもらったことも、たいへん印象深いものでした。

2013年を迎え、社員の皆さんへ伝えたいこと

さて、2013年の展望はどうか。金融機関のレポートによれば、海外経済については『大幅な財政緊縮の続く欧州を別とすれば回復に向かうものと見込まれるが、諸々の構造調整が残るため、総じて潜在成長率を下回る成長にとどまると予想される』との見方がされています。

そのような中で我々はどう戦っていけば良いのか。
2013年を迎え、あらためて皆さんにお願いしたいことを3点お伝えします。

① 収益拡大への拘りを持ち続けてほしい。
巳年は吉凶渦巻く変化の年とも言われていますが、まずはどんな変化が起きようと、収益拡大への拘りを持ち続け、元気にそしてタフに対処して行ってほしいということです。
兼松グループが長年かかえ続けている課題は「収益力」です。
株主への配当、社員の処遇改善、経費の拡充など、やりたいことは沢山あります。鶏が先か卵が先かという議論はありますが、現在の我々の場合は鶏が先です。だからこそ、「収益」に対する拘りが重要なのです。一人一人が、その拘りを持って業務に臨んでもらいたい。

② 将来を見据え、新たな取組みにどんどん挑戦してほしい。
世の中は大きく変化しています。認識すべきは、先進国の経済成長は今後も低水準あるいは減退を辿り、成長の主役はアジアをはじめとする新興国という構図が続くということです。昨年、家電業界などで起きたことは皆さんも良くお分かりの筈です。
当社も、従来通りのやり方では生き残っていけません。我が兼松グループも新興国の成長をうまく取り込んで行かなければ、成長はありません。国内のお取引先・お客さまを大切にしながら、新興国とりわけアジア経済圏での新しい取組みを心がけてください。
変化する環境を見据えながら、スピード感をもって、新しい事=事業創造にどんどんチャレンジしていきましょう。

③ コンプライアンスを再確認しよう。
コンプライアンスについては、このような機会に繰り返し申し上げますが、会社としても個人としても、正しく生きて行きましょうということです。
成長への努力をする中にあって、必ず法令・ルールは守って行きましょう。今日この場でもう一度気持ちを新たにし、単なる法令遵守にとどまらず、社会からの要請や期待に応えているか、一人の人間として正しい行動をしているかを判断基準として、日々の業務に臨んでください。

平成25(西暦2013)年、癸巳(みずのと・み)は、『従来の慣習にけりをつけて、思い切った革新と、創造的な発展の精神をもつことが大切になる年』です。
わが社にとっても、新たな中期経営計画をスタートする年度となります。ぜひ、これまでの考え方や仕事のやり方に捉われず、勇気を持って思い切った革新を起こし、また創造的な発展の精神を持って前進しましょう。そして守りだけではなく、積極的に果敢に攻める姿勢も持ち合わせた新たな兼松の歴史を、皆で創っていきましょう。

最後に

昨年の12月度月例会では、二人の課長に兼松の10年後の姿や夢について、元気に発表してもらいました。元気であれば何事も乗り越えて行けます。
『タフネス』『アグレッシブネス』そして『コンプライアンス』。
この3つを念頭に、今年も元気に挑戦していきましょう。

以上