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2017年1月4日

新年あけましておめでとうございます。
1月4日朝、兼松株式会社本社にて行なわれました、当社社長 下嶋政幸による兼松グループ全社員向けの「2017年 年頭挨拶」を下記の通りお知らせします。

1. はじめに

新年 明けましておめでとうございます。

新年のスタートにあたり、グループ会社や海外で働く全世界の兼松グループの皆さんに、年頭のご挨拶を申し上げます。

東京では天候に恵まれ穏やかだった今年のお正月、私は、ゆっくりと自宅で過ごしました。箱根駅伝もテレビで観戦しました。今年は、原監督率いる青山学院大学が総合3連覇。原監督は、2004に就任した当時は予選通過もできなかった弱小チームを、総合3連覇するチームにまで育て上げられました。ご自身が会社員時代に会得されたことを実践され、旧態依然としたチームに新しい風を吹き込み、人材、選手が育つ環境づくりから始め、2015年、監督就任11年目にしてようやく優勝ができるチームにされました。選手が育つ土壌をつくるまで10年以上という時間を費やされたのです。

私たちも同じように、2012年に“10年後のありたい姿”を語り、進んできました。今年でちょうど半分の5年が経ちましたので、今年は、そのアップデートをしたいと思っています。

2. 2016年の振り返り

まず政治面では、中東やトルコ、欧州で、年間を通して、紛争やテロ、クーデター未遂、暗殺が続き、北朝鮮によるミサイル発射や核爆弾実験も複数回発生し、不安が続いています。私たちの仲間もそういう危険に常に気を配りながら仕事をしています。また、中国の南沙諸島海域における人工島建設や、南シナ海をめぐる近隣諸国や米国との領有権問題も継続しています。6月にはBREXIT(英国のEU離脱)が賛成多数で決定したり、フィリピンのドゥテルテ大統領の就任もありました。また11月にはトランプ氏が米国の次期大統領に決まるなど、予想を覆されることも多くありました。

経済環境では、株式相場や為替相場が乱高下し、それに翻弄された一年でもありました。

さらに、女性の活躍が目を引いた年でもありました。まず1月に台湾に初の女性総統が誕生しました。台湾民進党の蔡英文(さい えいぶん)さん。7月には英国でキャメロン氏に代わり、テリーザ・メイ新首相が誕生。 8月には小池百合子さんが東京都知事に当選、就任されました。また米国大統領にはなりませんでしたが、民主党で大統領候補となったヒラリー・クリントンさんも大いに注目を集めました。安倍内閣の女性活躍推進の政策もあり、当社も関連の人事制度を充実させた年となりました。

日本にとって嬉しいニュースも多くありました。リオデジャネイロ・オリンピックでは日本は史上最高の合計41個のメダルを獲得しました。特に水泳、体操、レスリングの活躍は印象に残っていますし、若い選手たちが臆せず、堂々と頑張る姿は非常に清々しいものでした。プロ野球ではイチローが日米通算4257安打を達成し、ピート・ローズの歴代最多安打記録(4256安打)を更新しました。また、大隅 良典(おおすみ よしのり)博士が、昨年の大村 智(おおむら さとし)博士に続いてノーベル生理学・医学賞を受賞されました。

残念なことには、長い間、国民的アイドルであったSMAPが解散するという年の瀬となりました。

3. 2017年の位置づけ

2017年は丁酉(ひのととり)。十二支の相場格言では、『申酉(さるとり)騒ぐ』と言われており、昨年の申年と同じように騒がしい年(乱高下の年)になるということだそうです。我が社にとって、昨年は低迷して苦戦した穀物・飼料相場も、2017年は少し回復してくると思われます。原油相場もやや安定し、油井管ビジネスのオペレーションにとっても明るい兆しが見えてきています。また、プラントビジネスの仕込みが多くなっていることなど、良いニュースがたくさんあります。1月20日にはトランプ氏が米国大統領に正式に就任、新政権が発足します。今後の情勢は未だ不透明ではありますが、兼松にとっては、これまでに手を打ってきたことが実となってくる年になると期待しています。

4月からは2017年度、124期が始まります。VISION-130も残すところ2年となりますが、目標である連結当期利益150億円を必ず達成していきたいと思っています。そのために、これまでいろいろな施策も実行してきました。食糧関連では、昨年1月にカミチクグループなどと共同で六次産業化事業体へ出資したり、米国での牧草事業への出資も実行しました。また4月にはダイヤモンドテレコムを兼松グループに迎えました。グループ各社の順調な収益伸長もあり、業績に関して期待がもてる年になりますし、是非、そのようにしていきたいと思っています。

長期的な視点では、5年前に“兼松の10年後を語る会”を実施し、2017年はちょうどその折り返しの年となります。今年は、今までやってきたことを見直し、状況の変化に合わせアップデートする機会を作りたいと考えています。これから先の5年をアップデートしてもらうとともに、過去5年でどういう変化を起こしたか、どういう改革・前進をしてきたかということを語ってもらおうと思っています。いつも申し上げていますが、短期的な収益に重きを置くのではなく、前進をしているかどうかに重きを置いています。皆さんもその意識でお願いします。重要なのは前進しているかどうか。5年前より、あるいは1年前より前進しているのかどうか。5年経ってこれだけの変化を起こした、革新した、種まきをした、そしていつ開花する、ということに責任を感じてもらいたいと思います。今からでもできることはたくさんあります。夢のある話、発表ができるよう、追い込みをかけてください。

4. 2017年、皆さんに期待すること

創業者・兼松房治郎翁は、創業主意として、『わが国の福利を増進するの分子を播種栽培す』という言葉を残されました。これは、「日本の幸福・利益を増進する事業あるいは人材の種をまき、育てよう」という意味と捉えています。単に新しい顧客を増やしたり、新商品を増やすという範疇を超えて、新しい発想で、革新的に且つInnovativeに、わくわくする新しい仕組みやシステムを皆でつくって行きたいと思っています。そして雇用を創出し、利益をあげて、社会貢献していく。口でいうほど簡単なことではないと思います。まずは自分たちで考えることはもちろん大事ですが、考えたことをお客様・お取引先に提案してください。お客様のところへ足繁く通い、役に立つことはないかということを念頭に営業活動をしていただきたいと思います。

経営としては、人材育成・教育に力を入れていくつもりです。新しい仕組みを作っても、どうやって経営・運営すればよいか経験が足りないということもあると思います。皆さんが、将来、新しい事業の経営者あるいは兼松の経営者になっていくときに困らないよう、一緒にキャリアプランを考え、皆が成長できるようにしていきたいいと思っています。先ほどの青山学院大学の原監督も、チームの全員が目標をしっかり認識することが大事で、認識が薄いと待ち姿勢の人間しかできないと仰っています。年頭にあたり、是非、部門や部・課の方針を全員が共有し、課単位でどういう方向に進むのかよく議論し、それぞれの役割を明確にしてください。社員一人ひとりが使命感を持てる、あるいは一緒に同じ方向に向かって進んでいるんだというやる気が起きるような組織の運営を心がけてください。

5. おわりに

兼松グループは、短期的な浮き沈みはありますが、過去5年を見ると着実に成長しています。財務内容も良くなっています。これから更に積極的な手が打てるような会社になってきています。繰り返しになりますが、今年は、皆でわくわくするような仕組み・仕掛けを考えて、どんどん実行していきましょう。そのためには勉強もしていきましょう。それを会社もサポートしていきます。そういう環境づくりをして行けば、自ずと事業創造集団になると確信しています。そして社会的責任を果たせるようになると思っています。

その為にも、まずは健康な身体と精神が大切です。身体を壊してしまっては本末転倒です。健全なからだと心をもって、今年一年やっていきましょう。

最後に、コンプライアンスを徹底し、働きやすい職場環境を作り、皆でVISION-130を達成するよう頑張っていきましょう。

皆さんとご家族のご健勝とご活躍を祈念し、新年の挨拶とさせていただきます。

以  上