内部統制システムおよびリスク管理体制

当社グループに内在するリスクを総合的に評価し、業務の有効性・効率性・事業活動に係る法令等の遵守・資産の保全を追求するとともに財務報告の信頼性を確保するため、次のとおり、内部統制システムを構築しております。

また、気候変動や深刻化する社会・環境問題に対して全社的な見地から課題解決を行うべく、サステナビリティ推進委員会を設置しており、社会貢献、環境保全などサステナビリティに関わる様々な事案に対して、主体的に課題解決を図っております。

コンプライアンス

当社グループにおけるコンプライアンスが確実に実践されるよう支援・指導を行うため、当社の経営会議に直属する組織として「内部統制・コンプライアンス委員会」(以下「委員会」)が設置されています。委員会では、月次で贈賄や汚職の禁止などの腐敗全般に関するモニタリングを含む、コンプライアンス活動の実施状況を経営会議 (監査役を含む)に報告しているだけでなく、四半期ごとに取締役会(社外取締役を含む)に報告し、実効的な監督を受けられるようにしています。

さらに委員会は、贈収賄などの腐敗防止を含む、具体的事例による対応策や反社会的勢力との関係を一切遮断することなどを盛り込んだ「 兼松グループコンプライアンスハンドブック 」(以下、 ハンドブック)を整備し、社内イントラネット上において全ての役職員が閲覧可能とすることで周知徹底しています。

当社では法令、社則、社会一般の規範に違反する行為により、当社グループの会社財産・レピュテーションが毀損される恐れのある「コンプライアンス事案」が発生した場合には、速やかに(原則として発生から24時間以内に)委員会へ報告される体制が構築されています。コンプライアンス事案について報告を受けた場合、委員会は、事案の内容に応じ適宜、関係する部門・会社のコンプライアンス責任者等に事実関係の調査を指示します。なお、当該事案に利害関係を有する者は、調査担当から除外します。役職員は、コンプライアンス事案の調査に関し協力を求められた場合、全面的かつ誠実に応じ、委員会は、調査結果に基づき、当該事案の対応方針の決定、是正措置・再発防止措置を実行します。

また委員会への、ハラスメント又はいじめを含むコンプライアンス違反が疑われる事案の報告に際して、以下のホットラインも設置しており、匿名での通報も可能としています。全ての役職員(契約社員、派遣社員および出向者などを含む)に加えて、退職後一年以内の元役職員からの通報も受け付けています。

①委員会の連絡窓口  ②社外弁護士の連絡窓口

適用対象となる各社は、本ハンドブックに準拠し、自社のコンプライアンス規範を策定し、必要かつ適切な手続をとる体制が構築されており、監査室によってその有効性や妥当性に関し定期的に評価、検証され、必要に応じて改善しています。

コンプライアンス規範の遵守状況及び違反については内部監査の対象としています。 コンプライアンス規範に違反した役職員については、各社の就業規則等に基づき、懲戒等の厳正な処分を行うものとします。​

     

2023年3月期において、当社および当社連結子会社の経営に重大な影響を及ぼすコンプライアンス違反はありませんでした。

腐敗防止

当社では、腐敗行為防止の取組みとして、腐敗行為リスクの高い贈答品・接待を提供する場合は、「物件費規程」および「物件費運用細則」に基づき、事前の社内決裁を必要としています。

また、代理店、エージェント、コンサルタント等(以下「代理店等)起用に伴い、Agency Agreement、Service Agreementや業務委託契約を締結する際には、「職務権限規程」に基づいた社内決裁を必要とし、かつそれらの契約締結においては、法令遵守条項の規定を必須としています。審議では、代理店等の起用の目的、委託業務、代理店等が提供する業務に対する対価の妥当性について確認するだけでなく、代理店等とAgency Agreement、Service Agreementや業務委託契約締結に際しては、その契約が、委託業務が具現化されている内容となっているか確認し、法令遵守条項の規定も必須としています。法令遵守条項には、贈収賄禁止、公務員接待禁止等が含まれており、腐敗行為を防止するための表明・保証を代理店等にさせています。

また、監査室では、贈収賄等腐敗行為に係る着眼点でも、内部監査を実施しています。

2023年3月期

腐敗防止に関する方針違反

従業員の解雇

0件

従業員の懲戒処分

0件

腐敗に関連する罰金等

0円

政治献金

0円

反社会的勢力の排除

当社ではコンプライアンス上の遵守事項のひとつに「反社会的勢力には毅然とした対応で臨み、一切の関係を持たない」ことを掲げております。反社会的勢力排除に向けて、警視庁管内特殊暴力防止対策連合会に所属し情報を共有することにより平素から連携を密にしております。また、反社会的勢力より不当な要求を受けた場合に備えて、総務部を全社的対応・情報集約部署と位置付け、警察や弁護士等の外部機関と連携して対応する体制を整備しております。

情報管理体制

情報管理については、会計帳簿および貸借対照表ならびに会社の基本的権利義務に関する契約書および財産に関する証書、その他これに準ずる文書の保管、保存および廃棄に関する基準を定めております。また、会社の重要な資産としての情報保全管理、個人情報保護などコンプライアンスとしての情報保全管理を目的として、情報セキュリティ管理に関する規程を定め、その強化を図っております。 情報システムにおける情報セキュリティについては、重要な情報の漏洩・流出防止の観点から、情報セキュリティ管理に関する規程を設け、企業情報ならびに個人情報の保護を行うため、PC、ネットワーク、電子メールなどの利用方法について統一的な規範を定めております。また、セキュリティレベルを高めるためのシステム的な基盤については常時見直しを行い、必要かつ適切なセキュリティレベルを確保するよう維持・運営を行っております。

リスク管理体制

業務上発生しうるリスクに対しては、職務権限規程に基づきそれぞれ職能の担当部署が、社内規程や施行細則、業務のしおりを策定、研修などを通じて周知徹底を図っております。また、必要に応じ社内横断的な委員会を設置し、リスクのコントロールを行っております。

当社グループのビジネスリスクに関する判断・決定については、職務権限規程に基づいた社内稟議体制を構築し、主要な投融資の実行・継続・撤退等については案件審議会で、各種リスクの見地から総合的な検討を行っております。 自然災害などの重大事態発生時の業務に関する危機リスクについては、規程およびマニュアルを策定し、適切な管理体制を構築しております。

なお、計測可能な事業リスク(市場リスク、信用リスク、投資リスク、カントリーリスクなど)に関しては、連結財政状態計算書上のすべての資産およびオフバランス取引を対象とし、潜在的な損失リスクに応じて当社グループが独自に設定したリスクウェイトを乗じた最大損失可能性額(リスクアセット)を定期的に計測し、取締役会および経営会議へ報告する体制を整備しています。​

また、リスク管理に関する重要事項全般については、取締役会への定例報告などを通じて、リスク管理運営状況の監督及びリスク管理体制・プロセスの実効性評価を行っています 。

財務報告に関わる内部統制

財務報告に係る内部統制については、金融商品取引法に定める内部統制報告制度に従って、当社グループの財務報告の適正性を確保するための体制を構築し、統制の整備・運用・評価・改善を行っております。