方針・基本的な考え方

兼松グループの事業活動は多種多様な生物がさまざまな関係でつながることにより生まれる、生態系サービスに大きく依存しています。
当社グループの環境方針で明示しているとおり、事業活動にあたって生物多様性および自然生態系の保護に十分配慮することは当社グループにとって重要な課題であると認識しています。

兼松はこのたび自然関連財務情報開示タスクフォース (Taskforce on Nature-related Financial Disclosures、以下、TNFD) の取組みに賛同し、TNFDフォーラムへ参画いたしました。

イニシアチブへの参画

兼松では各種イニシアティブへの参画を通じて、生物多様性保全への取組みを推進しています。

自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)フォーラムへの参画

TNFDは2021年6月国連(UNEPFI/UNDP)や国際NGOが中心となり発足しました。企業が自然に与える影響と自然への依存度の双方をTCFD同様の枠組みに沿って開示することを求めるもので、欧米や日本を中心に多数の企業・公的機関・金融機関が支持を表明しており、自然資本に関する情報開示の国際スタンダード策定に取り組んでいます。

また、TNFDフォーラムはTNFDの議論をサポートするステークホルダーの集合体と位置づけられています。

今回の参画を機に、事業活動における生物多様性および自然資本への依存・影響を把握し、TNFDのフレームワークに基づいた分析および開示に努めると共に、その影響の最小化に引き続き取り組んで参ります。

サステナブル・シーフードのサプライチェーンへの取組み

兼松は「MSC/ASC CoC認証」を取得しています。MSC*1 認証・ASC*2認証とは、持続可能な漁業法・養殖法で水揚げされた水産物の証で、MSC認証は「天然資源」ASC認証は「養殖資源」に適用されます。またCoC*3認証とは、MSC認証・ASC認証を取得した漁業者・養殖業者による認証水産物であることを明記して消費者のもとへお届けするために必要な認証です。水産物の流通・加工の過程で、非認証の水産物の混入を防ぐため、製品がたどってきた経路を遡ることができるようにトレーサビリティを確保する仕組みです。
兼松ではCoC認証の取得を機に、サステナブルな水産物を確実に消費者へお届けするサプライチェーンの一翼を担う企業として水産資源や海洋環境の保護に努め、SDGsの14番目の目標「海の豊かさを守ろう」の推進に寄与しながら、持続可能な水産業をさらに発展させて参ります。
*1 MSC : Marine Stewardship Council (海洋管理協議会)
*2 ASC : Aquaculture Stewardship Council (水産養殖管理協議会)
*3 CoC:Chain of Custody (加工・流通過程の管理)