Digital Transformation (DX)

DXで兼松グループを 新たなステージへ

DX推進委員長メッセージ

原田 雅弘

常務執行役員
DX推進委員長

DXで兼松グループを新たなステージへ
 2024年4月から開始した新たな中期経営計画「integration 1.0」ではDXを重点強化対象の一つとし、ICTソリューションの強化とグループシナジーの最大化を通してお客さまの課題・ニーズを発見し、最適なソリューションを提供することでサプライチェーンの変革・創出を目指しております。
 その取組みの一環として、本年度より兼松エレクトロニクス株式会社(KEL)を中心としたICTソリューション部門を新設いたしました。KELの強みであるITインフラ・セキュリティプロダクトとサービスを兼松グループの幅広いネットワークへ活用することで、「顧客基盤の拡大・収益伸長」「海外展開の拡充」を狙います。またDX戦略・IT戦略に長じたキーパーソンを登用することにより、サプライチェーンのデジタル化ソリューションの具現化を推進して参ります。
 DX推進委員会では、本年度より生成AIの活用、データ分析の更なる高度化を目指した分科会を設けました。加えて、新たにDX投資枠と執行基準を設けることで最新技術のビジネスへの適用を推し進めるとともに、全社で一定の基準を満たした案件に対して実証実験フェーズの挑戦をサポートしております。
 DX推進のための人的・知的資本の強化を行うべく、従業員のITリテラシー向上にも力を入れております。ITパスポートなど各種公的資格の受験支援やKELとの人材交流などを通じ、グループ全体でのDX人材育成を行っております。また、増加するサイバー攻撃に対応するため、KELグループが提供するセキュリティ教育を実施するとともに、企業としてもサイバーセキュリティ対策を強化しています。
 DX推進は一部門だけの取組みではなく、兼松グループ全体で部門や企業の垣根を越えて一丸となって進めるものと考えています。全社員がDXの重要性を理解し、日々の業務に取り入れることで、真の変革が実現されます。皆さまのご協力とご支援を賜りながら、兼松のDX推進をさらに加速させ、サプライチェーンに対して新たな価値を提供するソリューションプロバイダーとしての商社を目指してまいります。

DX推進体制

具体的な取組み

畜産サプライチェーンの業務デジタル改革

兼松は畜産サプライチェーンの業務デジタル改革を目指し、卸売会社向け牛肉ECサイト「どこでもビーフ」を、2023年より開始しております。このサイトでは、兼松が世界各地から厳選した牛肉を、スマートフォンやパソコンで24時間365日いつでもどこからでも簡単に注文することができます。ユーザーフレンドリーなインターフェースを備え、産地や部位、用途などの幅広い検索機能が充実しているため商品をすぐに見つけることができます。最新商品やお薦め商品の資料をダウンロードできることから、小売店や外食業界向けの商談・ご提案にもご利用いただいております。ログイン後のマイページ機能は購入履歴やお気に入り商品のリストも簡単に確認でき、リピートオーダーをスムーズに行えるようになっています。複数のご担当者がいる企業向けに、注文履歴の共有や管理が可能で、企業内での情報共有が効率化されています。

 また、伝統的にファクシミリで行われていた出庫指示作業についても、倉庫システムとの連携によりサイト内で完結することが可能となりました。お客さまの作業効率化や事務作業ミスの低減を実現し、業務の精度とスピードの向上に大きく貢献しています。これまで順調にサービスが進行し、導入企業数も増加しております。

 今後の計画として、豚肉やその他の食品への展開も視野に入れております。兼松はこれからも、サプライチェーンの画期的なデジタル改革を行うソリューションプロバイダーとして、お客さまの多様なニーズに応えることを目指しております。今後も技術革新とサービス向上を通じて、お客さまの満足度を高め、持続可能な成長を実現して参ります。