Digital Transformation (DX)

DXで兼松グループの次世代ビジネスを創造

DX推進委員長メッセージ

原田 雅弘

常務執行役員
DX推進委員長

中期ビジョン「future 135」では、重点施策「技術革新への対応」に「グループを挙げたDX 推進」を追加し、事業変革の加速を目指しております。 電子・デバイス部門長の私をDX推進担当として2021年7月にDX推進委員会が発足し、兼松株式会社IT企画部DX推進室、および兼松エレクトロニクス株式会社(KEL)DX推進部が事務局となって、ID一括管理、データ分析基盤の充実、IT資産統合などの個別テーマを持つ分科会がグループ横断でのDX推進に取り組んでおります。
部門を超えた取組みとしては、食品・畜産サプライチェーンの業務デジタル化、デジタルデータの取り込みと活用を推進しており、他業種への展開を今後図っていく予定です。一方で、増加するサイバー攻撃に対応するため、サイバーセキュリティ対策の充実、従業員へのセキュリティ教育にも注力しております。 また、 ITリテラシーの底上げを図るため、ITパスポートなど各種公的試験の受験に対する支援などを通じて、グループ全体での人材育成にも取り組んでおります。 デジタル化事業の推進に関しては、DX商材を多様化すると同時に、SaaSスタートアップとの交流の場である「Business Co-Creation Center」の設立、データマーケットプレイスのプラットフォームの構築、データ運営会社への投資を通じた次世代データ取引市場への参入も進めております。技術革新への強い対応力がある商社として、今後もグループで連携し、社内外の生産性向上や次世代ビジネスの創造、またガバナンス強化に寄与していきます。

DX推進体制

具体的な取組み

KEL、GSX、テリロジーHDの3社協創によるOTセキュリティ導入のワンストップ支援

兼松グループでICT事業を担うKELは、資本関係を有するグローバルセキュリティエキスパート株式会社(GSX)および株式会社テリロジーホールディングス(テリロジーHD)との3社協創により、産業用制御システム(OTシステム)向けの新サービス「Technical KnowledgeGuardian for OTセキュリティ」を2023年に提供開始しました。 各社の実績や知見、強みとする経営資源を共有し、単一企業では実現できないOTセキュリティ&ネットワークの総合支援サービスを提供します。昨今、製造業が競争力を高めるためのDXを推進する中、セキュリティリスクは比例して高まっています。 また、セキュリティに関する標準規格やガイドラインは今後、産業別に細分化することが予想されます。KEL、GSX、テリロジーHDの3社は、製造業のセキュリティのサービス強化と知見の蓄積を進め、安全・安心なOT環境の実現に取り組みます。

物流2024年問題解決に向けた、兼松グループの挑戦

兼松のグループ会社である株式会社データ・テックは、運行記録計「セイフティレコーダ®」(SR)を物流業界に提供しています。SRの運行データは、勤務時間管理ソフトと連動し、拘束時間・休息期間、運転時間を自動計算して、実績の把握に活用されます。 また、2022年11月には、株式会社NTTデータと共に、配送ドライバーの負担軽減を目指した共同実証実験を実施しました。「みせナビ™」と呼ばれる本サービスは、SRが記録する車両走行データの解析により配送先ごとに異なる駐車位置や向きなどの配送ルールを自動生成し、配送時に音声案内で知らせてくれるもので、配送課題の解決が期待されています。 加えて、安全運転意識の啓蒙を目指したスマホアプリ版安全運転診断の開発も進めています。兼松とデータ・テックは、これからも物流DXを推進し、「物流2024年問題」の解決に貢献して参ります。

SaaSスタートアップとのオープンイノベーションによるDXの推進

兼松のBusiness Co-Creation Center(BC3)は、B2BのSaaSを開発するスタートアップと提携して、店舗業務のDXの支援を進めてきました。例えば、客の順番待ちを管理するサービス、スマートフォンを利用した事前決済サービス、POS(販売時点情報管理)レジアプリのほか、在庫管理サービスなどを提供することで、人手不足が深刻な店舗の業務効率化に取り組んできました。 BC3では、DXを支援するSaaSを複数そろえた「兼松SaaS圏」の形成と、サービスのワンストップ提供を推進しています。POSレジアプリと在庫管理サービスを連携させるなど、SaaS圏内のサービス間連携を実現することで、兼松ならではのサービスとして提供しています。 今後、店舗だけでなく、当社の既存事業をはじめとした領域まで範囲を広げながら「兼松SaaS圏」のラインアップを拡充し、お客さま業務のDX実現に向けて引き続き支援していきます。