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2015年1月5日

新年あけましておめでとうございます。
本朝、兼松株式会社本社にて行なわれました、当社社長 下嶋政幸による兼松グループ全社員向けの「2015年 年頭挨拶」を下記の通りお知らせします。

 皆さん、明けましておめでとうございます。
 新年のスタートにあたり、全世界の兼松グループの皆さんに、年頭のご挨拶を申し上げます。

 日本では長い年末年始休暇となったこともあり、皆さん心身ともにリフレッシュされて、新たな抱負と目標を掲げて、新年を迎えられたことと思います。

 昨年、日本では4月に17年ぶりとなる消費税増税が実施され、3月までの駆け込み需要や4月以降の反動減など、経済界全般へ大きな影響を及ぼしました。また、夏場の相次ぐ台風被害や、豪雪、地震、噴火など、自然災害に関するニュースも目立った一年でした。
 スポーツ界では、2月のソチ・オリンピックで、当時19歳の羽生結弦選手が見事にフィギュアスケート・アジア人男子初となる金メダルを獲得、テニス界での 錦織圭選手の活躍など、それまで歯が立たなかった世界の舞台において、日本人の そしてアジア人の力を見せ付けてくれた一年でもありました。
 また、10月に赤崎教授、天野教授、中村教授の3人が青色発光ダイオード(LED)でノーベル物理学賞を受賞されたのも記憶に新しいと思います。

 当社にとりましては、創業125周年の記念すべき年となり、125周年記念配当の実施、またグループを挙げた大運動会や餅つき大会を開催するなど、非常に盛り上がりをみせた一年であったと思います。
 消費税増税後の落ち込みや天候不順の影響など、重荷となる外部要因はありながらも、決してこれに負けることなく、グループ一丸となって立ち向かってくれた結果、兼松グループの現行の中期経営計画はここまで順調に進捗しています。
 5月には、創業130周年を見据えた「VISION-130」も打ち出し、5年後の「ありたい姿」に向けた一歩を既に踏み出しています。今年も、持続的成長企業を目指している我々には、立ち止まっている余裕などありません。常に前を向いて、攻守のバランスを保ちながら、目標に向かって突き進んでいきたいと思います。
 本日は、新年のスタートにあたって、改めて皆さんにお願いしておきたいことを3点お伝えします。

1.攻めの姿勢を強めましょう
 構造改革以降の守り重視の姿勢からの脱却を図ったこの2年。皆さんには、常々「攻めに転じるのだ」というメッセージを発信し続けてきました。発信当初は 「まだまだ躊躇しているかな」と思うこともありましたが、最近では、社内の雰囲気が変わったということを私自身、肌で感じています。きっと皆さんひとりひとりにメッセージが浸透してきているのでしょう。お取引先など社外の方々と話をしていても、「当社の雰囲気が変わった」というお声をよく頂戴します。

 守りのギアから攻めのギアへのシフトチェンジは果たしました。次は、この勢いを加速させたい。アクセルをもっと踏み込み、次のシフトアップに繋げていきたいと思っています。

 まず、商社の原点、当社の基本理念に立ち返って、足元を見つめ直してみましょう。そこには、信頼関係の厚いお取引先がいて、長年培ってきた実業があり、そして必ず商機があります。その商機をものにするためにも、失敗を恐れずに挑戦し続ける「攻めの姿勢」を持ち続けてください。ここで私が言っている「攻めの姿勢」とは、お取引先に対する提案力を強化するということです。

 お取引先から、「是非、兼松の提案を採用したい」、「兼松と共に取り組みたい」と思って頂けるような提案をどんどんやっていきましょう。そのような提案をするためには、自分を磨いていかなければなりません。それぞれの業界の全体像を見渡せる知識を増やさなければなりません。最終ユーザーや消費者が何を求めているのかを 的確に掴む努力をしなければなりません。そして、お取引先自身の商売を増やすためにはどうしたら良いのか、常時、情熱をもって真剣に考えていなければなりません。そういった努力の積み重ねが、必ず強い信頼関係を創り、お取引先を動かす原動力・提案力に繋がっていきます。

 我々は皆元気になりました。攻める体制づくりも整い、体力もついてきましたが、それだけで満足している訳にはいきません。もっともっと勉強をして、研究をして、お取引先にとってお役に立つ存在になれるよう、努力を怠らず、攻めの姿勢で、揺るぎない成長路線の確立を目指して行きましょう。


2.常に将来の「ありたい姿」を見据えて、日々の仕事に取り組みましょう
 VISION-130では、5年後を展望し、兼松グループの「ありたい姿」を描きました。以前、皆さんと一緒に、10年後の兼松像について語り合ったことがありましたが、このVISION-130は、その中間点・通過点として、数字も含め、より具体的なビジョンを描いたものです。
 ここで皆さんにお願いしたいことは、常に10年後、20年後のありたい姿を見据えて日々の仕事に取り組んで頂きたいということです。業績には波が付きものです。私は業績の波に一喜一憂しません。なぜなら、それよりも将来のありたい姿に向かって 着実に施策を打っているかどうかの方が重要だと思っているからです。
 それぞれが進むべき道、「軸」をしっかりともって、将来のありたい姿に辿りつくために今何をしなければならないのかを念頭に、日々の業務に従事すれば、必ず皆さんが描くありたい姿に辿りつけると信じているからです。
 是非、「軸」をしっかりと作って、状況の変化に柔軟に対応しながら、それぞれが描く将来のありたい姿に向かって邁進して欲しいと思います。
 そして、皆で兼松グループの将来を創っていきましょう。

3.コンプライアンスを徹底しよう
 平時であれば、皆、至極当たり前のことのように聞こえるでしょう。ただ、大切なことは、何かに直面したときでもコンプライアンスを徹底できるかどうかです。
 そのような時であっても絶対に判断を誤らないために、常日頃から、自分に恥じない行動を心掛けて下さい。そして、コンプライアンスを第一に、そのうえで、社会貢献や価値創造を行っていきましょう。


 今年は、未(ひつじ)年です。当社の祖業が、豪州羊毛の輸入事業であることもあり、ヒツジには縁のある企業と言えるでしょう。
 ヒツジは、視野が広く、聴力に優れているといいます。皆さんも、幅広いアンテナで情報を収集し、お取引先など周囲の意見によく耳を傾けて、めまぐるしく変化する 世の中における自分たちの使命・役割、そして強みを認識し活かすことで、この一年を将来に繋げる飛躍の年にして頂きたいと思います。

 最後になりますが、全世界の兼松グループで活躍されておられる役員・社員の皆さん、そして皆さんを支えて下さっているご家族の皆さんのご健勝とご活躍を祈念しまして、新年の挨拶とさせて頂きます。

以上