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2023年1月4日

あけましておめでとうございます。
1月4日、オンラインで行なわれました、当社社長 宮部佳也による兼松グループ全社員向けの「2023年 年頭挨拶」を下記のとおりお知らせします。
 

兼松ならびに兼松グループの皆さん、新年明けましておめでとうございます。

昨年はまさに激動の一年でしたが、こうして皆さんと大過なく新しい年を迎えられましたことを、大変嬉しく思います。

今回の年末年始の休みは短かったのですが、皆さんはリフレッシュできましたでしょうか? 私は、昨年末の仕事納めの12月28日に、日本人F1ドライバーの角田選手とお会いする機会を得て大変印象に残る年末となりました。元旦の夜中にテレビを見た方もいらっしゃるかもしれませんが、宇宙から初日の出を見るという番組がBSで放送されました。当社の航空宇宙部がその番組制作のお手伝いをし、当社の17階のお客様用ラウンジで収録が行われたのですが、その際に角田選手とお会いしました。角田選手には番組内で今年の抱負を語っていただきました。

F1とはモータースポーツの最高峰であり、そのドライバーは世界に20人しかいません。角田選手はその20人の中で唯一の日本人として戦い、22歳という若さで世界のトップになろうと挑戦をしています。目標に向かってひたすら努力する角田選手のその姿勢と情熱に大変感銘を受け、兼松グループの若い人たちをそこに重ねました。皆さんにもぜひ世界を舞台に大いに活躍していただきたい、また、世界に一人でも多くの若い人たちを送り出せる会社にしたいと心を強くした次第です。

本社移転について

さて、昨年の大きなイベントとして、11月21日に東京本社の移転がありました。移転は約30年振りになります。

2019年10月に移転を対外発表してから3年以上が経過したこととなります。発表時は「3年も先か」と思っていましたが、実際はギリギリの行程での移転となりました。

移転に関わった、プロジェクトメンバー、そして、書類削減等に尽力してくれた従業員一人ひとりの協力のお陰で無事引越しをすることができました。この場を借りて皆さんに心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

移転して約一ヵ月半が経ちますが、皆さんどのように感じているでしょうか?

シーバンスと大きく違う点は固定席がなく、Activity Based Working(ABW)を導入した点だと思います。最初は環境の変化に戸惑うこともあったかもしれませんが、徐々に慣れてきたようにも見受けられます。ABWは業務内容に応じて座る席を選択することができますので、今まで以上に効率よく業務ができるようになりますし、部門を超えたコミュニケーションも容易になりました。

また、東京駅から至近の場所となり、お取引先、グループ会社の方々も立ち寄りやすくなりました。たくさんの方とより一層コミュニケーションを密にして、今までにない発想で、新しいビジネスの創造に繋げていただければと思います。

2022年の振り返り

では、昨年の振り返りと2023年の施策をお話しします。

世界情勢では、昨年2月にロシアのウクライナ侵攻が始まりました。一般市民にも多くの犠牲者が出ており、一日も早い解決を願うばかりです。

さらに、長引くコロナウイルス感染症の影響もあり、世界経済の成長率は2021年の6.0%から2022年は3.2%と鈍化する見込みです。

一方、インフレ率は2021年が4.7%だったのが2022年は8.8%に上昇する見込みです。

日本も例外ではなく、身近なところでは食料品を中心に値上げラッシュの1年となりました。

為替相場を見ますと昨年1月は1ドル=115円近辺だったものが、10月には150円を超える円安となりました。今後の日米の金融政策次第では再度大きく変動することが十分にあり得ます。変化を機敏に捉えて素早く対応することが商社の得意とするところであり、使命でもあります。世界情勢の動向、我々を取り巻く環境については常に情報収集を怠らず、素早く対応するようにお願いします。

当社のトピックとしては、昨年は商品価格の高騰、米国においてのエネルギー政策の転換等の追い風もあり、業績は好調に推移しました。投資案件も引き続き実行し、規模の拡大を図り、また昨年導入したイノベーション投資制度を用いたイノベーション投資も3件実行され、将来の種まきをしております。今後これらの案件が収益に結び付くことを楽しみにしております。

future 135について

さて、今年はいよいよ4月からの130期でfuture 135の最終年度を迎えます。130期は次のステージに向けた事業基盤を構築するための大事な年度であり、129期の残り3ヵ月はその助走期間となります。129期は第2四半期の決算発表で通期の決算予想を上方修正し、好調に推移しています。第3四半期はこれから集計となりますが、順調に推移できる見込みであります。future 135では、後半3ヵ年の、重要施策として「DX推進」、「SDGsに寄与する事業分野への投資」の2点を掲げております。この2点とイノベーション投資は、来期はもちろんですが、その先の次期中期経営計画でも受け継がれていくものと考えています。次期中計は皆さんと意見交換をしながら、2月頃から十分に時間をかけて策定していきたいと思いますが、まずは、この勢いでfuture 135の最終年度目標である当期利益200億円を達成し、更なる企業価値の向上を目指していきたいと思います。

サステナビリティについて

昨今は、社会や環境への悪影響が生じれば持続的な成長が望めないとステークホルダーから判断され、企業価値にも影響を与えています。ESG、すなわち環境・社会・ガバナンスが益々重要になってきており、会社は、業績だけではなく、サステナビリティ課題への取組みを強化していく必要があります。

兼松の創業主意は「サステナビリティ」に通じる理念であり、サステナビリティは会社全体で取り組んでいく大きな課題であります。その取組みを社会に対して示していくことも重要な活動であり、引き続き、皆さんのご協力をお願いしたいと思います。

おわりに

今年も先行き不透明な状況が続くと予想されます。世の中の状況がめまぐるしく変化して、何が正解か解からないような状況が続くと思います。そのような状況下では、まず行動に移すこと。そして行動しながら正解を導いていくことが重要だと思います。皆さんには、今まで受け継がれてきた兼松のDNA、創業主意にある意志と情熱を持って、引き続き新しいことにチャレンジしてくれることを期待しています。

最後になりますが、日本および世界の兼松グループの皆さん、そして皆さんを支えるご家族のご健康とご活躍を祈念して、年頭の挨拶とさせていただきます。

ありがとうございました。

                                                       以  上