兼松株式会社(以下、「兼松」)と韓国のAutonomous A2Z(以下、「A2Z」)は、2025年8月4日、自動運転技術の日本およびグローバル市場への展開・導入を共同で推進する事を目的とした覚書を締結しました。

■背景

 現在日本では、交通分野、特に地方における人手不足の深刻化や、スマートシティ構想、DX推進を背景に、自動運転技術への関心と社会的ニーズが年々高まっています。また、2023年4月には道路交通法が改正され、特定条件下における完全自動運転が可能な「レベル4」が解禁されるなど、整備が進められています。今後も、社会課題の解決と新たな価値創出に向けて、安全性・効率性・環境適合性を備えた次世代モビリティの社会実装がますます重要となることが予想されます。

■A2Zについて

 A2Zは、韓国の大手自動車メーカー、現代自動車の研究所出身エンジニアたちが創業したスタートアップ企業です。主にインフラと連携した自動運転技術の研究・開発を手がけており、将来的には自動運転専用プラットフォームの構築も目指しています。

A2Zの有するコア技術の特徴は以下3点です。

  1. ハードウェア、ソフトウェア、インフラを一貫して自社開発。自社内で技術開発から実装まで完結できる体制を構築。
  2. プラットフォームは、高性能ながらコンパクトなシステム構成を実現。幅広い車種・車格に自動運転機能を搭載可能。
  3. 選定部品からシステム開発プロセスまで、各国の車両・車載システムの規格に準拠。グローバル展開が可能。

 これらの強みを活かし、同社は韓国内13地域で累計約68万キロにおよぶ実証走行を達成。さらに、シンガポールやアラブ首長国連邦でも実証・認証実績を持つなど、事業を拡大しています。

 こうした技術力・実績が評価され、A2Zは米国コンサルティンググループのガイドハウス社による2024年グローバル自動運転技術ランキングで11位にランクインしました。同ランキングの上位20社は米国や中国の企業が9割を占めていますが、その中でA2Zが名を連ねており、国際的にも高い評価を受けています。

■覚書について

 今回の契約締結を通じて、兼松のグローバルネットワークや国内外のモビリティ事業に関する知見と、A2Zの高性能な自動運転技術を結集し、地方を含む様々な交通現場での運行自動化・人手不足解消や、安全性の強化に向けて取り組みます。両社の強みを活かし、地域や用途に応じた実証実験や、社会実装モデルの開発を進め、新たなモビリティサービスの提供を目指します。

 兼松グループは、中期経営計画「integration 1.0」の主要施策の一つに「イノベーションの探索と実装による提供価値の拡充」を掲げています。これからも、自動運転を始めとする革新的技術を用いた社会課題の解決や、持続可能な社会の構築に貢献して参ります。

【A2Z 会社概要】

商 号
Autonomous A2Z Co., Ltd.
設 立
2018年7月18日
代 表
Ji-Hyeong Han
所在地
Silseup-dong , 50, Gamasil-gil, Hayang-eup, Gyeongsan-si, Gyeongsangbuk-do, Republic of Korea
事業内容
自動運転技術・車両の研究開発および販売
ウェブサイト
https://autoa2z.ai/

【お問い合わせ先】

兼松株式会社 広報室 電話: 03-6747-5000 https://www.kanematsu.co.jp/inquiry/