兼松株式会社(以下、兼松)は参画する「サステナブル漁業プロジェクト」のメンバーである池下産業株式会社(以下、池下産業)と共に、国内初となる、太平洋マイワシ由来の魚油における世界基準「Friend of the Sea(フレンド・オブ・ザ・シー、以下FOS)CoC認証(※)」を取得いたしました。

※Friend of the Sea(FOS):
世界サステナビリティ機構(WSO)が運営する、海洋由来製品や水産事業の持続可能性を評価する国際的な認証制度。魚そのものだけではなく魚油・魚やOmega-3魚油製品(サプリメント製品)など幅広い水産関連製品を対象としており、国際的な信頼性を持ちます。審査では、水産資源の持続可能性や法令遵守だけでなく、海の生態系・生息域への影響、混獲の管理、ゴーストフィッシング対策、船や工場のエネルギー・ゴミ管理、さらには働く人の労働環境まで、非常に幅広いサステナビリティの項目が網羅的に評価されます。 当社が取得したCoC(Chain of Custody)認証は、魚油の加工・流通におけるトレーサビリティが適切に管理されていることを証明するものです。

 「サステナブル漁業プロジェクト」とは、池下産業、株式会社浜平漁業HD(以下、浜平漁業)、株式会社UMITO Partners(以下、UMITO Partners)、兼松の4社が、北海道広尾を拠点とする太平洋マイワシまき網漁業の持続可能性を高めるため、2022年7月に立ち上げたプロジェクトです。

「サステナブルプロジェクト:各社役割」 

浜平漁場 道東の巻き網船で「太平洋マイワシ」を漁獲
池下産業 漁獲された「太平洋マイワシ」から「魚油」「魚粉」を製造
兼松 製造された「魚油」「魚粉」を世界に販売・認証取得推進
UMITO Partners 海洋・漁業分野コンサルタント・審査準備・サポート

認証取得の背景|なぜ今「魚油」のサステナビリティなのか?

 世界的な人口増加に伴い市場が拡大する養殖業や健康食品において、不可欠な原料である「魚油」や「魚粉」は、いまや国内外の市場で原料調達におけるサステナビリティの証明が厳しく問われるようになっています。

しかし、「魚油」「魚粉」の原料となる貴重な水産資源である太平洋マイワシは、複数の国が関わる公海にもまたがるため国際的な資源管理のルールが非常に煩雑で、これまで国内には持続可能性を公式に証明できる魚油や魚粉が存在していない状況がありました。

 そのような状況下、“海外に調達を依存するのではなく、日本の豊かな海を自らの手で守り、日本の水産業の国際競争力を高めるサステナブルな原料を自分たちで作る” – こうした先駆的な強い意志のもと、池下産業らによる自律的な挑戦が始まり、この取組みに賛同する4社で「サステナブル漁業プロジェクト」を立ち上げ、以降4年間にわたり現場の改善活動を続けてまいりました。

 海の生態系を守るために積み重ねてきた保護対象種等への対応や混獲のモニタリング、適切な安全リリースなどの先進的な取り組みは「海と漁業界の未来を守る壮大なプロジェクト」と高く評価され、2024年には「グッドデザイン賞」を受賞しています。

 この4年間で培った高度な現場体制と科学的なデータ管理の仕組みを現時点で最大限に活かすため、環境から労働環境まで幅広いサステナビリティをカバーする国際認証「FOS認証」へ挑戦。厳しい審査をクリアし、太平洋マイワシ由来の魚油として国内初となる認証取得に至りました。今回の取得により、調達の透明性や現場の取り組みが客観的に証明され、グローバル市場における調達基準をクリアした「環境に配慮した持続可能なマイワシ魚油」の供給が可能となります。

 日本のまき網漁業において、太平洋マイワシ由来の魚油が国際的な水産物サステナビリティ認証であるFOS認証を取得するのは、国内初の事例であり、世界的に需要が高まるサステナブルな水産資源の市場に、新たな価値を提示するものです。

 当社はこれからもお取引先の皆さまと共に、持続可能なサプライチェーンの構築に取り組んで参ります。

参考情報:

兼松取得証明書
・FOS 公式ウェブサイト:Seafood Sustainable Certification Certification for Fishery
UMITO Partners プレスリリース