方針・基本的な考え方
兼松グループは世界各地で広く事業活動を展開しており、水資源は企業にとって重要な自然資本であると認識しています。地球温暖化に伴う気候変動の影響で世界では渇水リスクの増大も指摘される中、水資源の有限性を認識した上で水資源の効率的な利用と削減を目指します。
水ストレス地域での事業活動
兼松グループでは、世界資源研究所(WRI)が開発した評価ツールであるAqueduct(アキダクト)を用いて、国内外の拠点のうち、製造・加工拠点(23拠点)について水ストレスレベルの評価を実施しました。水ストレスが極めて高い事業拠点を水ストレス拠点と位置づけております。2025年7月時点において水ストレス地域に該当する拠点はありません。
※2025年7月時点
水ストレス | 拠点数 |
---|---|
低い(<10%) | 3 |
低い~中(10-20%) | 7 |
中~高い(20-40%) | 10 |
高い(40-80%) | 3 |
極めて高い(>80%) | 0 |
合計 | 23 |
水使用量削減の取組み
環境や資源との調和を目指した牛肉の展開
兼松では、カナダ・アルバータ州の牛肉の加工・販売を行う Harmony Beef社との取引を 2023 年より開始しています。同社は北米に数多く存在する牛肉の生産者の中において、2017 年の操業と比較的新しく、社名に”ハーモニー”と掲げているように、環境や資源、動物、それに携わる人間との調和を目指しております。また独自のプログラムを展開することで、やわらかい肉質と豊富な風味を兼ね備えた高品質な牛肉を実現し、高い評価を得ています。
工場では加工時や製造ラインの洗浄等で大量の水を使います。同社では最新鋭の水浄化システムを導入し、工場で使用する水の約 90%以上がカナダの環境基準を満たす、または超過する基準にまでリサイクルされ再利用されています。水ストレスの高い北米エリアにおいて、貴重な水の循環利用により水使用効率の維持向上を図る同社との取組みを強化することで、持続可能な水資源の利用推進に寄与してまいります。

環境配慮型ラベル
兼松では、株式会社TBMが開発・製造する石灰石を主原料とする「LIMEX Sheet(ライメックスシート)」を利用して、環境配慮型ラベルを開発・販売しています。LIMEX Sheetは、紙製ラベルと比較し、製品の原料に木材パルプを一切使用せず、製造時に必要とされる水使用量を大幅に削減できるため、森林と水資源の保全に貢献できます。また、ラベル用途として一般的に用いられるPP(ポリプロピレン)やPET(ポリエチレンテフタレート)シート等の合成紙と比較しても、CO2を含む温室効果ガスと石油由来プラスチック使用量の削減が可能です。

石灰石から生まれた新素材LIMEXは紙と比べ耐久性と耐水性に優れています