社会貢献活動

兼松では、兼松行動基準で掲げているように、良き市民として社会的責任の重要性を自覚し、積極的な社会貢献活動を行うことを心がけています。また、企業として従業員による地域の発展や快適で安全な生活に資する活動を支援しています。

事業を通じた社会貢献活動

兼松グループでは社員一人ひとりがよき市民として社会的責任の重要性を自覚し、事業活動と社会貢献活動を通じて社会課題の解決に積極的に取り組み、持続可能な社会の実現を目指します。またボランティア活動では視野を広げ、新たな価値観や気づきを得ることで豊かな社会づくりに貢献していきます。

         

宇宙と科学の高校生シンポジウム

           

     

2024年1月27日(土)、大分県教育センターにて、STEAM教育*や宇宙科学技術を通じて、次世代人材の育成を目指すイベント「宇宙と科学の高校生シンポジウム」が開催されました。このイベントは、大分県教育委員会が主催し、株式会社Barbara Poolが企画運営、一般社団法人STEAM JAPANが協力しました。

 

兼松はこのシンポジウムで、大分県内の高校1、2年生を対象としたSTEAM教育の体験ワークショップを実施しました。さらに、当社のパートナー企業であるアメリカのシエラスペース社の最高科学責任者のジャネット・カヴァンディ氏による特別講演会も同日開催しました。

兼松は現在、大分空港をシエラスペース社の宇宙往還機Dream Chaserのアジア拠点として活用するプロジェクトに取り組んでおります。この取り組みを通じて、大分県における宇宙事業の推進と地域社会の活性化を推進しています。

兼松は、大分県教育委員会と協力し、学生に当社の存在と活動内容を理解してもらいながら、STEAM 教育や、SDGsの達成を担う次世代の人材の育成などに取り組み、未来を見据えた社会づくりのための教育活動を支援しております。

*科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、芸術・リベラルアーツ(Arts)、数学(Mathematics)の5つの領域を対象とした理数教育に創造性教育を加えた教育理念

     
 
    

SEMA加盟

兼松は緊急災害対応アライアンス「SEMA」に加盟しました。SEMAは、民間企業と市民団体(CSO)が連携し、日本国内において災害支援を行うための仕組みで、平時から加盟各社がもつ物資・サービスなどをリストとして集約し、大規模な自然災害発生時にはこのリストを基に必要な物資・サービスを迅速に提供します。当社は災害時に、特に重要な連絡・情報入手手段となるスマートフォンの充電やラジオ、LED懐中電灯などに必要となるアルカリ電池を中心に、被災者の生活に必要な物資をお届けします。SEMAの活動を通し、兼松が展開する各種電池製品や防災関連製品を迅速に提供し、被災地支援を実現して参ります。

SEMAの活動イメージ、兼松の提供予定製品

インターネットの安心・安全な利用の啓発活動「e-ネットキャラバン」

兼松グループの兼松コミュニケーションズ株式会社は、「e-ネットキャラバン」の取組みに積極的に参加しています。
「e-ネットキャラバン」は、インターネットを安心・安全に利用するための啓発活動を行う出前講座です。
運営は、総務省と文部科学省の支援のもと、一般財団法人マルチメディア振興センターが推進しています。この活動において、兼松コミュニケーションズは、講師として認定された社員を全国の小中学校や高等学校等に派遣し、インターネットを適切に使用するための指導を行っています。

2023年3月期は89校で実施し、児童生徒および保護者や学校の教職員など、合計25,969名の方に参加いただきました。登壇学校数は、一般社団法人全国携帯電話販売代理店協会において、昨年度に引き続き貢献度1位になっています。

e-ネットキャラバン

累計
期間           :2017年度~2024年2月末
登壇学校数 :820校
講座実施数 :960回
受講者数    :220,653名

インターネットは日々進化し、私たちの日常生活に不可欠な存在となっています。しかし、その利用にはリスクも伴います。
兼松グループは、これからも「e-ネットキャラバン」を通じて地域社会に貢献し、次世代を担う若者たちの安全なインターネット利用の促進、および責任ある使い方の普及に向けた支援を続けて参ります。

より詳しい内容は、https://www.kcs.ne.jp/sustainability/socialissueをご参照ください。

災害復興支援

兼松グループでは、2011年3月に発生した東日本大震災後、義捐金の拠出や物資を被災地に送るなどの支援を行ない、それ以降、被災地でのボランティア活動を継続しております。また、ボランティア休暇制度に加え、ボランティアプログラムへの参加にともなう交通費や宿泊費などを会社が負担するなど、社員の被災地ボランティア活動をバックアップする制度も整えています。
兼松グループとしては、災害ボランティア活動は一過性で終わらせず、今後も被災地や被災者の方々のニーズに応じた支援活動を継続していきます。

陸前高田市での支援活動

2011年9月以降、独自のボランティアプログラムにより陸前高田市での支援活動を行っています。
兼松グループの社員が継続的に参加し、瓦礫撤去や遺品の検索作業、漁業の産業復興のためのお手伝いなどを実施しております。今後もさまざまな支援活動を行っていきます。

移動図書館車「やまびこ号」を寄贈

兼松は陸前高田市へ移動図書館車「やまびこ号」を寄贈しました。 「やまびこ号」は、車体を一本松のロゴと「たかたのゆめちゃん」のイラストでラッピングし、夏場や雨天でも利用しやすいように、日よけ、雨よけとして使えるオーニング(可動式のひさし)も取り付けられています。LED照明の車内は明るく、一部可動式の書棚には約900冊の図書が並びます。

兼松貿易研究基金

貿易および国際経済に関する研究の奨励・助成を行うことにより、経済の発展に寄与することを目的として、1940年に 設立し、兼松と神戸大学経済経営研究所とで運営しています。
1993年には神戸大学経済経営研究所、兼松貿易研究基金、および兼松の協力により、「兼松大学院生研究奨励賞」(兼松賞)を創設。毎年懸賞論文を募集し、経済学、経営学および会計学の分野における全国の大学院生の研究奨励および研究発表の機会を提供しています。2018年度懸賞論文より、経済学部門と経営学部門を部門別に審査を行うなど、これからも兼松賞を通して経済学・経営学・会計学の分野における研究を支援して参ります。

記念事業

創業者兼松房治郎の遺志を継いで行われた記念事業として、神戸高商(現神戸大学)の兼松記念商業研究所(兼松記念館)、東京商科大学(現一橋大学)の兼松講堂、そしてオーストラリアのシドニー病院の兼松病理学研究所の寄贈があります。

神戸大学 経済経営研究所(兼松記念館)

1919年(大正8年)、神戸高商(現神戸大学)に兼松商業研究所(兼松記念館)を工費30万円で建築寄贈、更に研究基金として30万円(後に20万円追加)の寄付をし、財団法人兼松貿易研究基金を設立しました。
設立以来80年以上の歴史を通じ、国際経済及び国際経営に関する高度の研究機関として、多くの研究業績を蓄積し、国内外から高い評価を得ています。
尚、1993年にはこの神戸大学経済経営研究所と兼松貿易研究基金と兼松の協力により、兼松大学院生研究奨励賞(兼松フェローシップ)を創設し、毎年懸賞論文を募集して、全国の大学院生の研究奨励および研究発表の機会を提供しています。

一橋大学兼松講堂

1927年(昭和2年)8月、東京商科大学(現一橋大学)に創建・寄贈した兼松講堂は、ロマネスク様式の建物です。その時は、兼松全社員がボーナスを献上したという話もあります。
兼松講堂は、平成12年には国の登録有形文化財にも選ばれた大変貴重な建物です。2003年から2004年にかけて卒業生を中心とした募金により大改修工事が行われ、兼松も寄贈者としてその一部を担わせていただきました。兼松講堂は、もともと音響も大変に素晴らしいホールで、講演以外にもピアノやバイオリンなどクラシック音楽のコンサート会場としても大いに利用されてきています。

シドニー病理学研究所

1929年(昭和4年)に建設費を寄贈し、1933年に竣工されました。兼松房治郎は日本とオーストラリアの貿易の基礎確立に甚大な貢献をしただけではなく、社会的にも大きな貢献を残したのです。第二次世界大戦中、オーストラリア政府は敵性語である日本語の使用を禁じましたが、当時の病院理事長の強い意見もあり、この研究所だけは例外となり、病院には兼松家の家紋と名称が消されず今日まで存続しています。
また、この研究所からはノーベル医学賞受賞者2名(1963年ジョン・エクレス博士、1970年バーナード・カッツ博士)を輩出するという大変光輝ある業績があげられています。
1982年研究所は4つに分割されましたが、そのうちの一部門(臨床血液学、微小循環学、組織病理学)は現在もシドニー大学構内のロイアル・プリンス・アルフレッド病院でThe Kanematsu Laboratoriesと名付けられています。残念ながら老朽化と区画整理のため、研究所の建物は既に取り壊されていますが、シドニー病院には兼松家の家紋と名称が消されず今日まで存続しています。

記念事業沿革

1919年(大正8年)

第1回記念事業として神戸高商(現神戸大学)に兼松記念館(1921年竣工、現在の経済経営研究所)ならびに研究基金30万円を寄贈。

1925年(大正14年)

第2回記念事業として東京商科大学(現一橋大学)に兼松講堂(1927年竣工)を寄贈。

1929年(昭和4年)

第3回記念事業として豪州Sydney病院に兼松病理学研究所(1933年竣工)を寄贈。以後この研究所からノーベル賞受賞者数名を輩出した。

1940年(昭和15年)

神戸商業大学(現神戸大学)に第2回目の基金20万円を寄贈し、財団法人兼松貿易研究基金を設立。

1973年(昭和48年)

豪州Sydney病院の兼松病理学研究所創立40年記念に日立製電子顕微鏡を寄贈。(3,000万円相当)

1990年(平成2年)

兼松豪州会社100周年記念として兼松ファンドを設立。Sydney病院の兼松研究所へ東芝製超音波診断機を寄贈。(2,000万円相当)

1993年(平成5年)

5月兼松大学院生研究奨励賞(兼松フェローシップ)を神戸大学経済経営研究所、兼松貿易研究基金の協力を得て創設。毎年懸賞論文を募集して、全国の大学院生の研究奨励および研究発表の機会を提供することになった。